ヤンゴンLog

ヤンゴン暮らしとその他出来事の記録

現地預金が引き出せない日本在住ミャンマー人の苦悩

日本在住ミャンマー人の知人はそんなに居ないのだけれど、不意に問いかけられた話。


「ミャンマーの銀行にお金を預けています」
「もう現地の銀行が信用できないから、お金を出したいのですが、
 身分証等も日本に持ってきてしまっているため引き出せない。」
「何とか現地に帰る方法知りませんか?」


このコロナ×政変で大混乱な中、そんなこと私が知る訳ないのだけれど、
それを踏まえて質問してきたと言うことは、相当に困っているのだろうと思い、
こんなアドバイスをしてみた。


私「そもそも、その預金っていくらあるの?」


その方「〇百万チャットくらいです。」


・・・・・・・


「あのね、〇百万チャットって、〇千ドルくらいだから、
 仮に帰れるとして今は飛行機代が、〇千ドルくらいよね」


「現状はATMでは1日、20万チャットしか引き出せないらしいし、
 窓口でも預金の30%までにしようか?なんて話も出始めてるから」


「もし全部引き出せても、滞在費も考慮すると差額は千ドルそここそ、
 あなたの今の日本の月給は、〇千ドルくらいなんでしょ?
 日本に戻れず失業するリスクも考えると、帰らない方が良いんじゃない?」


そんな話をしてみると、少し冷静になったのか?


「やっぱりそうですか、だいたい分かってはいたんですけど。。。。。」


・・・・・・・


確かに、焦る気持ちも分からないではないし、おそらく預金云々以外にも、
現地に帰り様子を知りたい気持ちもあるのだろうと思うと心が痛いのだけれど、


残念ながら、現状は如何ともしがたい。。。。


しかしながら、本当に理不尽な話である。


何もなければ、数千ドル分の預金が現地にあったはずが突如として、
事実上は、自由に引き出せなくなってしまった訳であるし、


現地で働いていた頃に貯めた数千ドル分の預金はその額面以上に、
本人が努力した年数からくる思い入れがそれ相当にあるであろう。


そんな中、今後起こり得る、金融機関の破綻や現地通貨の急落等が重なると、
もしかするとその価値は、本当に消え失せてしまうかもしれないのだから、


2017年頃だったか、この国の一人当たりのGDPは1500ドルに迫る勢いだったが、
その後失速し、確か1400ドル程に留まっていた気がするけれど、


直近1年半ほどの経済の減退に加え、現地通貨の急落まで重なると、
今度は、1000ドルを少し割り込む程度では済まないかもしれない。
GDP上は、まさに2010年以前のどこかまで逆戻りの様そうである。


もしそうなった時、結局、厳しい局面に立たされるのは民衆の方なのだから、
そうならないためにも、何とか経済だけでも再び動き始めてほしいものである。


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