ヤンゴンLog

ヤンゴン暮らしとその他出来事の記録

なぜ利益相反となる相手に相談するのだ?

新年明けて非接触ながらミーティングの多い今日この頃、日本で過ごしていると時々聞かれる、ミャンマーってどんな所ですか?や、コロナ後に進出するとしたら?のような漠然とした質問。先日その質問をした方は、どこの国とは限定せず某法人へ海外進出について相談しているのだそうで(こちらはビジネスコンサルタント業ではなく別件のついでの雑談)


今回、参考にと意見を求められたため、正直な意見として以下の意見を伝えた。


なぜか勘違いしているか方が多いが、ミャンマーの例で言うと、人件費が日本の数分の1の地域では製品かサービスかを問わず提供価格を日本と同様に設定し難く必然的に1件当たりの粗利は薄くなり易い。そのため、組織体系を工夫したり、かなりのボリュームを取引したりしないと割が合わない可能性は高い。しかも、日本国内ではある程度通ずる性善説的信頼関係など小規模な組織ですら成立し難い場所であることも踏まえる必要がある。


つまり、よほどの物好きか事情のある場合を除き中小企業の出る幕ではないか、または、中小企業ではあるが国内のニッチ市場で覇権を握っているから海外に出たいとか、国内事業が順調なので海外で赤字を出しても節税とノウハウ蓄積になるから問題ないとか、それなりの理由がない限り無理に進出しない方が良い市場であると考えられる。


加えて要注意な点は、現地進出する日系企業数が増える事で恩恵を受ける立場にある人に事業運営の相談をすると言うことは、利益相反となる人に相談している状態である点を認識する必要があることだ。
特に海外で出会う現地事情に精通した邦人相手となると、その点を見失い易いから注意した方が良いし、さらに現地好きだと言うバイアスを持った人にはより注意した方が良い。


そのような話をすると相手は何だか興ざめした様子であった、極単純な話だと思うのだけれど。


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