ヤンゴンLog

ヤンゴン暮らしとその他出来事の記録

株式上場を目標とする意味を考えさせられた話

海外に支店を持つ日本の上場企業の方と話をする機会があり、なんとなく世間話をした中にこんな話があった。


最近、それなりの体面で上場し株価を維持するために、株主に配当を出さなければならないと考えると、今は銀行金利が安すぎて、上場しないで融資や出資金として資金集めした方が現実的じゃないかって考えさせられることばかりですよ。などと言う本音がこぼれてきた。


確かに、個人的には上場などと言う想像しただけで面倒くさそうなことを目標にしたことはないが、実際に上場している方も面倒なだけで利点がないと考えてしまう実態を聞くと、やはり、想像していた印象は間違いではないのかもしれない。


上場するとまず、買収されるリスクを伴う場合があるのはもちろんながら、その反面、
赤の他人からも出資が期待できる訳だが、当然、赤の他人の場合はそう遠くない未来に株価が上昇すること、または配当や株主優待などを期待して株式を取得する。
株価上昇を期待されているだけならまだ良いかもしれないが配当や優待等の条件から、
「配当や優待の期待に応えるためのコスト>銀行の貸付金利」となった場合、もはや本末転倒である。


(ちなみに、上場に至る様々な業務に対応するコンサルタントなんかも存在するが、それらの人達は基本的には、上場したいと考える団体に対しその手続きの助力をするだけで、上場後に企業価値が上昇することや、銀行からの貸付よりも有利な資金調達を約束してくれる訳ではない)


稀に存在するユニコーン的な話や、それに類する上昇要素を持つ企業ならいざ知らず、
コツコツと人的サービスを積み上げて売り上げることを前提する業種の場合は、よほどのことが無い限り株価の急上昇も期待できないのだとしたら、そもそも株式会社である必要があるのかすら考えさせられてしまう。


割と見かける話だが、創業社長の到達目標が上場だったりして、苦労して上場した結果、
株価が云々どころか、上場企業であるための社内書類に忙殺される部署が出現し、管理費が増大し利益を圧迫、その結果、企業価値が低下し、経営者も従業員も苦しみが増えるなんて言う話もあったりする訳であるから本当に難しい仕組みである。


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